神戸・六甲アイランドにある神戸市立小磯記念美術館にて、広大な草原や美しい空の描写で世代を超えて愛される絵本作家・葉祥明(よう しょうめい)の特別展が開催されています。

展覧会の見どころ
葉祥明氏は、1973年に絵本『ぼくのべんちにしろいとり』でデビューして以来、一貫して人間の心、いのちの尊さ、そして平和への願いを紡ぎ続けてきた作家です。
身近なところでは、サンリオの発行する「いちご新聞」を思い出す人も多いはず。
小学生の頃大人気だったのをおもいだします。
本展では、彼の代名詞とも言える「メルヘン調の美しい風景画」の原画はもちろん、環境問題や戦争の悲惨さを訴える「平和へのメッセージ」が込められた作品まで、その幅広い画業を網羅しています。地平線が広がる穏やかな緑の丘や、澄み渡るブルーの空を間近で見つめると、心がじんわりと解きほぐされるような感覚を味わえます。
また、館内では同時に「小磯良平作品選Ⅱ」も開催されており、神戸を代表する洋画家・小磯良平の気品あふれる人物画やデッサンも一緒に鑑賞できる贅沢な構成となっています。
第1章 画業のはじまりから「メルヘン画家」になるまで
爽やかなやさしい風景画で知られる葉祥明。本章では、作家の画風形成期をご紹介します。ファッションイラストレーターを志していた画業初期の人物画や、絵本デビュー作『ぼくのべんちにしろいとり』の原画、大人気画家として活躍したサンリオの月刊誌『いちごえほん』や『詩とメルヘン』のイラスト原画を展示します。

絵本『ぼくのべんちにしろいとり』(至光社刊)表紙、1972年、水彩

「たんぽぽ畑」雑誌『詩とメルヘン』
(サンリオ刊)1978年3月号掲載、水彩
※作者・所蔵館は、すべて葉祥明・北鎌倉葉祥明美術館。以下同
第2章 多彩な絵本の世界
「メルヘン画家」として活躍する葉祥明は、1980年代以降、自身の画業のはじまりである絵本制作にも取り組んできました。牧歌的な子供向け絵本のみならず、人生や社会問題などを題材とするメッセージ性の強い絵本を多数発表してきました。本章では、葉祥明の絵本の数々を原画でご紹介します。

絵本『イルカの星』(佼成出版社刊)30-31頁、1996年、水彩

絵本『地雷ではなく花をください』(自由国民社刊)表紙、1996年、水彩

絵本『くんくん、きみだあれ』(至光社刊)23頁、1991年、水彩

「ハロー!ジェイク」絵本『ジェイクと海のなかまたち』(自由国民社刊)表紙、1998年、水彩

「名作の中のお菓子物語第3回ハイジ」
『朝日小学生新聞』2014年7月28日号掲載、水彩
第3章 油彩画の世界
『詩とメルヘン』などイラストの仕事で活躍するなか、純粋芸術としての油彩画への志向を高めた葉祥明は、1980年代後半から油彩画の制作に取り組んできました。イラストの仕事で確立した地平線のある構図をベースに、極圏や宇宙などの崇高な風景画を描いています。作家自身の「我々は何なのか?」という哲学的な問いを反映しており、初期から作品の詩情が評価されてきた葉祥明の真骨頂をご覧いただきます。

「ロマン的な夕暮れ」1991年、油彩
第4章 ことばと絵の世界
イラストや絵本の作品でよく知られる葉祥明ですが、1990年代後半から絵とともに詩を発表する雑誌連載を現在まで続けている詩人でもあります。平明な言葉で紡がれる日々の暮らしや人生へのメッセージは、これまで多くの人に寄り添い、励ましや癒しを与えてきました。本章では葉祥明の絵とともに心あたたまる詩の世界をご紹介します。

「妖精の棲む森」2002年、水彩

「聖夜」『いちご新聞』2021年12月号掲載、水彩
いかがでしたか?
懐かしいと同時に知らなかった部分も多いのではないでしょうか?
葉祥明と言えばパステルトーンの水彩画を思い浮かべる人が多いと思いますが、個人的には初めて目にする油彩画の色の奥深さに圧倒されました。
ぜひ一度、期間中に六甲アイランドに足をお運びください。
開催概要
- 会期:2026年5月23日(土曜)~8月16日(日曜)
- 会場:神戸市立小磯記念美術館
〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中5丁目7
- 開館時間:10時00分~17時00分(入館の受付は16時30分まで)
- 休館日:月曜日(7月20日は開館)、7月21日(火曜)
入館料
- 一般:1,200(1,000)円
- 大学生:600(500)円 ※()内は20名以上の団体料金
- 高校生以下:無料 ※学生証、生徒手帳などをご提示ください
- 神戸市在住の65歳以上の方:600円 ※住所と年齢が証明できるものをご提示ください
- 障がい者手帳又はスマートフォンアプリ「ミライロID」等ご提示の方:無料
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